いざ会議本番。どう運営すればいいの?
こんな疑問にお答えします。今回は会議を進める上での7つのポイント、その後半をご紹介します(前半はコチラ)。
①定刻に開始する
②資料と役割の確認
③原案は最初に伝える
④どんな意見も受け入れる
⑤結論は詳細に決める
⑥バージェンスモデルの活用
⑦集まるからできることを優先する
⑤結論は詳細に決める
「じゃあそんな感じで」
このフレーズ、便利ですが注意が必要です。
そんな感じってどんな感じ?ということですね。それを明確にするための議論だったのに、結論を共有できていないまま終えるなんて悲しい限りです。「〇〇先生、お願いします」も不十分。誰が何をいつまでに、どこを押さえておくべきか、限りなく明確にしましょう。
佐藤 将之著のamazonのすごい会議: ジェフ・ベゾスが生んだマネジメントの技法の言葉を借りるなら、現場の人間は「売上1,000億だからよろしく」と目標を言われても動けない。Aさんの部署は○○担当するから××を△名分確保してください。と言う、です。
本のタイトル:amazonのすごい会議: ジェフ・ベゾスが生んだマネジメントの技法
著 :佐藤 将之
出版社 :東洋経済新報社
本の長さ:256ページ
「会議に出ていたのだから全部わかっているでしょう」は驕りです。
役割分担やロードマップを詳細に決めておくと担当者に責任を持たせることにもつながりますし、進捗の確認が楽になり、状況によっては協力することもできます。
「そんなこと、みんなわかっているよ。くどいな。」と笑われることもありますが、笑わせておきましょう。認識のズレによってミスする方が被害は甚大です。
⑥バージェンスモデルの活用
バージェンスモデルとは、意見を出し切ってから次の議論へいくという議論スタイルです。
すなわち意見を出し切るまで次の、特に対策の議論へ進んではいけません。意見を出し切らないと「そういえば」だらけでムダな時間が増えるためです。MECE(漏れなくダブりなく)とも似ています。これは学校現場でも大切なスタイルです。特に、参加人数が多いときに力を発揮します。
課題の抽出 → 議論や検討 → 結論
一般に議論する場合はこのステップを踏むと思います。それが課題抽出の時に、特定の課題にスイッチが入り議論が始まってしまうんですね。
「それについては今までの学校の歴史で・・・」
「他校では・・・」
「勤務してきた学校での経験上・・・」
「今の時代・・・」とさまざまな意見が飛び交います。
そのまま脱線して進んでも一応の課題の抽出 → 議論や検討 → 結論を通っているのでやりきった感はあるのですが、いざ会議が終わったら漏れだらけという事態になってしまうんですね。
脱線しそうになったら「〇〇ということですね、まずは他の要素も出し切ってしまいましょう」と切り出してレールを戻しましょう。全然違った角度で鋭い意見を持っている方がたくさんいます。ぜひそうした意見を大切にしたいところです。
⑦集まるからできることを優先する
集まるからこそできることを優先しましょう。ポイントは全員参加と、全体個別の判断です。
担当者やファシリテーターは出席する先生が抱く不安要素に答えられるよう準備をしておきましょう。答えられない場合は無理に議論せず担当分掌へ持ち帰るのが吉です。そして、特定の話す先生だけで決めないように意見を振ることも大切。
沈黙はムダなので意見は必ずもらいに行きましょう。榊巻 亮著の世界で一番やさしい会議の教科書では黙っている人には5分類あると説明しています。
①議論についていけない
②言いたいが遠慮している
③モヤモヤしているがまとまっていない
④同意見が既出なのでわざわざ話さない
⑤興味ない
①議論についていけない人を出してはいけないのは前提として、②言いたいが遠慮している、③モヤモヤしているがまとまっていないの内に秘めたる鋭い意見を大切にしましょう!
本のタイトル:世界で一番やさしい会議の教科書
著 :榊巻 亮
出版社 :日経BP
本の長さ:304ページ
意見や質問の質を上げるために「読む時間」を設けるのも有効です。沈黙が流れて変な感じがしますが、「読んでいれば自分で解決していた質問」に時間を取られなくて済みます。
意見が出たら、全員の認識を共有することもオススメです。発言してもらえた意見を要約して確認しましょう。場合によってはあえて少しズレた解釈で確認し、周りに修正してもらうのも良いと思います。
全体個別の判断については意見が出たときにファシリテーターのみなさんは、その意見が全体の場で取り上げる内容なのか、個別で対応すれば良い内容なのかを瞬時に判断しましょう。前者ならその場で吟味し、後者なら後で個別に説明。
注意すべきは個人の問題かどうかでなく、個別で対応すれば良いかどうかです。個人的な疑問だったとしても、それが他の先生もわかっていない内容だったら、先生たちが集まっている場でまとめて説明しておく方が早い。出席者も明らかに個別で訊けば済むことはメモしておき後で確認するとなお良しですね。
出席者に誠実な会議にすることが大切である一方で、やはり会議の時間は限られています。有意義な時間を出席者全員で作っていきましょう!
まとめ
いかがでしたか。
会議の本にあるポイントを抽出し学校現場に反映させてみた実際の工夫を紹介しました。実は勉強する中で他にも参考になる本がたくさんありました。それらを僕なりに良いとこ取りし、学校の会議で実践したのがこの7つでした。
①定刻に開始する
②資料と役割の確認
③バージェンスモデルの活用
④原案は最初に伝える
⑤どんな意見も受け入れる
⑥結論は詳細に決める
⑦集まるからできることを優先する
特殊にも時間割の都合上、20分で十分な会議も、90分必要な会議も50分で組まれている教育現場。
だからこそ、一般向けの会議の本なんて役に立たないだろうと思ってしまいがちですが、上手に転用、反映させれば学校の会議は驚くほど充実したものになります。そんなイケてる会議を見て育つ次世代が、さらに素晴らしい会議を展開していく・・・そんな未来を思うと、僕はとても心が弾みます:)
どんどんイケてる会議にしていきましょう!
では。
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