忙しい社会人がIELTSで6.5を取った方法とは・・・?
今回はこんな疑問にお答えします。
ども、Kaiです。
海外の大学受験で必要となるのが英語力の証明。今回、僕はIELTSを受験しました。最近より良いスコアを取りたいなぁと思った矢先、どうやって勉強したっけ?と思い至ることに。ということで、これを機に改めてIELTSとはなんなのか、僕自身どう取り組んできたかを紹介します:)
IELTSとは
IELTSはInternational English Language Testing Systemの略称になります。ケンブリッジ大学英語検定機構やブリティッシュ・カウンシル(英国文化振興会)などが運営する4技能(書く 読む 聞く 話す)を測る英語検定の1つです。
アカデミック分野とジェネラル分野があり、それぞれの技能および総合得点は0〜9.0点のバンドスコア(熟練度)で示されます。英語力の証明として効力は2年間で、大学への出願に必要なのはアカデミック分野です。
出典:文部科学省 PDFファイルはコチラ↓
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/091/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2018/07/27/1407616_003.pdf
2年間という期間にTOEICがよぎりますが、実は全然違う検定。試験は問題用紙への書き込みが許可されています。それぞれの試験時間と問題数は以下のとおり。
僕は名古屋の会場で受けましたが、試験会場に持ち込めたのはパスポートとラベルなしのペットボトル水のみだったと思います。その他の荷物は受付で預け、鉛筆と消しゴムは支給されました。
順番は表のとおり。スピーキング以外は続けて実施されるため休憩時間がありません。トイレは試験時間を削って行くことになりますが、試験終了前は行けませんでした。
ペーパー試験の受験料はなんと25,380円。強気です笑。ちなみにオーストラリアで受験する場合410ドル。絶句笑。いやいや高過ぎるだろ・・・
各試験の特徴
ライティング
・60分で2つのタスク(英文章の作成)
・タスク1(150語程度)、グラフや図などを分析し、読み取れることを説明
・タスク2(250語程度)、与えられたテーマについて論理的に意見を展開
・評価基準は以下の4つ
1)質問に正確に答えているか
2)文章構成に一貫性はあるか
3)文章の内容に一貫性はあるか
4)豊富な語彙が使われているか
・タスク2のほうが配点は高い
・それぞれ150語、250語を下回ると大幅にスコアダウン
リーディング
・60分で3つの長文(全体で約2,150〜2,750語)
・問題数は40問
・問題形式は選択、正誤、文章などさまざま
・ジェネラル:注意書きや広告、新聞や雑誌などから日常生活に関連するものを出題
・アカデミック:書籍、専門誌、新聞紙などから学術的なものを出題
リスニング
・40分で4つのセクション(40問)
・30分程度のリスニングと10分程度の書き写す時間で構成
・スペルミスは不正解
・音声は一度だけ流れる
・セクション1、2は日常的な会話を想定
・セクション3、4は大学の講義などを想定
スピーキング
・約10〜15分で3つのパートに解答
・パート1は自己紹介から派生した一般的な会話
・パート2は問題が記されたカードについて1分準備、2分スピーチ
・パート3はパート2の内容について掘り下げた質疑応答
・評価は以下のとおり
1)流暢さと一貫性
2)語彙力
3)文法力
4)発音
さらに詳しく知りたい方はこちらを参照ください。https://ja.wikipedia.org/wiki/IELTS
次に、スコア6.5を取るために僕がどう勉強したかを紹介します。
最初にした2つのこと
①目標設定
さまざまな取組に言えることですが、まずは目標設定。バンドスコア5.0を目指すのに8.0の勉強をする必要はありません。逆もしかり。僕の場合は、各セクションのスコアが6.0以上で全体のスコアが6.5以上という条件でした。例えば下の表は、両方とも全体のスコアが6.5ですが、ライティングで6.0を下回っているのでダメな例は条件を満たせていないというわけです。
IELTSはスコアリングの根拠がハッキリしています。例えばライティングのタスク1のバンドスコアの基準を見てみましょう。
PDFはコチラ↓ https://takeielts.britishcouncil.org/sites/default/files/ielts_task_2_writing_band_descriptors.pdf
この表にあるバンドスコア4の一番右の列にあるGrammatical Range & Accuracy (文法と正確性) の2文目(太字)を見てみると、
・Subordinate clauses are rare and simple sentences predominate.
(従属節の使用がほとんどなく単純な文が大半を占める)
と書かれています。つまりどれだけ鋭い視点で良いアイデアを書けていたとしても、従属節などの洗練された文がなければ4.0なのです。
目標の話に戻ると、社会人は勉強する時間も限られています。実際、僕も忙しかったので潔く6.5を目標にしました。
②自分の英語力を分析
1年前の自分の英語力を誇張なし謙遜なしで評価すると、
ライティング:巷で言われているPREPなどを心得た程度
リーディング:そこそこ読めるが苦手分野
リスニング:高校3年の模試を監督しがてら解いて9割行かないくらい
スピーキング:インフォーマルな日常会話に自信あり
語彙:高校英語〜大学受験で困らない程度
10年前に語学学校で受けたIELTSのMockTest (模試) では5.5。そこから英語の勉強は授業準備や補習、受験指導などで適度に続けているレベルです。教員になってから学んだ部分を踏まえると下がってはいないと願っていますが、基準的に6.5には届かないので5.5〜6.0程度だったと思います。
まとめると、僕の・・・
目標 :各セクションのスコアが6.0以上で全体のスコアが6.5以上
英語力:おそらく5.5〜6.0
何を使って勉強したか
主に3つの教材を活用して勉強しました。
1.問題集
2.英単語帳
3.You Tube
問題集
公式の問題集、このシリーズのAcademic11と12を使っていました。
▼それがコチラ
タイトル Cambridge IELTS 11 Academic Student’s Book with Answers with Audio
: Authentic Examination Papers (IELTS Practice Tests) 英語版
出版社 Cambridge University Press
本の長さ 144ページ
タイトル Cambridge IELTS 12 Academic Student’s Book with Answers with Audio: Authentic Examination Papers (IELTS Practice Tests) 英語版
出版社 Cambridge University Press
本の長さ 136ページ
すべてが英語なのでユーザーフレンドリーではないと感じる方もみえるかもしれませんが、問題の真正性(Authenticity)を考えると公式が1番、という考え方です。
単語帳
何気なく購入したら、海外大学院へ通っていた友人が同じものを使っていたことを彼のYou Tubeチャンネルで知ってびっくり。
▼それがコチラ
本のタイトル 【音声ダウンロード付】実践IELTS英単語3500
著 内宮慶一、吉塚弘
出版社 Cambridge University Press
本の長さ 336ページ
頻出単語がバンドスコアごとに分けられている点と、レベル修了ページにあるおもしろいコラムが特徴です。実際に大学の文献などを読むと出てくる単語も結構あるので非常に役立つ一冊。
You Tube
今回の勉強で、You Tubeがいかに素晴らしい教材になるのかを実感しました。
▼活用したチャンネルはコチラ
IELTS Advantage
ChrisがIELTSで陥る多くの落とし穴を解説します。アドバイスが非常に的確でとても参考になりました。撮影も着飾った演出がなく個人的には高ポイント。
E2 IELTS
主にJayとMarkによるスポットレッスン。特に1人(Jay)が実演し、それにもう1人(Mark)がテコ入れしていくスタイル。英語のスピードが物足りない方は倍速再生で調整しましょう。
どのように勉強したか
ライティング
60分で2つの文章を求められた形で書く。「求められた形で」というのが曲者。それを踏まえて以下のことを考慮しました。
伸ばす力
勉強方法
ストラテジー
◆伸ばす力
- 設問を正確に読み取る力
- 文章を論理構成していく力
- それを時間内に表現する英語力
◆勉強方法
①ガッツリYOU TUBE(説明を聴きながらポイントをまとめる)
②とにかく書く(感覚的に理解できるまで練習する)
③必ず見直す(書きっぱなし100回よりも推敲1回)
勉強方法についてはこの手順で進めました。IELTSのライティングは目指すべき「型」があります。YouTubeはどちらのチャンネルも解答例に加え、表現や言い回しが豊富でとても役に立ちました。
また、両方の内容を照らし合わせることにより、ある程度の型を作り、問題集を何度も活用していました。ある程度というのがミソ。全部まとめてからだと試験日に間に合わなかったからです。
◆ストラテジー
時間配分については一般的にタスク1に20分、タスク2に40分の配分が妥当だと言われていたのでそれぞれ時間を測って取り組みました。
タスク1(20分)
最初の10分 …アイデアと文章構成
次の7〜8分 …英語の文章
最後の1〜3分 …語数や誤字の見直し
タスク2(40分)
最初の10分 …アイデア
次の5〜7分 …文章構成
次の10〜12分 …英語の文章
最後の1〜3分 …語数や誤字の見直し
ペースは2〜3日で1サイクルを目処に柔軟に取り組みました。見直しにも時間を十分に割きました (書きっぱなしは絶対ダメ!)。比較的、学校から帰った後に書いていましたが、タスク1は20分あれば書けるので朝書いたりもしていました。
タスク1はグラフや図の説明は客観的に確実に言えることのみを論述します。ここにあなたの意見は必要ありません。一方でタスク2は自分の意見を客観的な根拠に基づいて展開する必要があり、感想などの非論理的な文章は評価されません。
タスク1に関しては、図やグラフの比較方法を洗いました。
・一番大きな変化や違いは何か
・推移していく中で変化しているものは何か
・比較した時に劇的な差異を生じているものとそうでないものは何か。
書き出し方もある程度テンプレ化しました。例えばタスク1なら
①紹介文(導入文) この資料は〇〇を示している
②描写1 大きな変化、傾向、違い
③描写の掘り下げ 具体的な数値をもとに言及(ここで主観を入れないよう注意!)
④描写2 大きな変化、傾向、違い
⑤描写の掘り下げ 具体的な数値をもとに言及(ここで主観を入れないよう注意!)
タスク2なら
①導入文 問題のパラフレーズ1文、主張(たしかにAだがBだと思う。なぜなら〜)1文
②本論1 トピックセンテンス (その主張に至る根幹部分と考えられること)
③本論の掘り下げ 深化
④本論2 トピックセンテンス (譲歩、別の視点)
⑤本論の掘り下げ 深化
⑥結論 AだがB、ゆえにB
といった具合です。
アイデアは「資料の見方」を養うことにつながり、文章構成は「型」を作り上げることにつながります。最初は苦しいですが、続けていくことにより設問を正確に読み取る力、文章を論理構成していく力、それを時間内に表現する英語力が磨かれました。
リーディング
リーディングは以下のサイクルで7月初旬から始めました。
①1日1題20分時間を測って解く(辞書・単語帳を使わない)
わからなかった単語はチェックしておく
②答えだけ確認
③わからなかった単語確認
④間違えた問題をもう一度解く
⑤答えの確認
⑥どこに答えに該当する箇所があるか分析
元気な時に60分。ライティングと同様、⑥の分析にかなりの時間を割きました。このとき個人的に良かったと今思えるのが分析のための音読。
声に出す分音読は黙読よりもスピードが落ちます。その代わり、情報を文字と音で受け取ることができます。音読のスピードで目と耳からインプットして意味を理解できなかった文は、解答時に目だけの一読でも読めなかった文である可能性が高い、と仮定できます。そういった文を、語彙・文法・構造・意味の側面から分析しました。
また、基本的に問題の答えは読む順番に沿っています。次の問題の答えが見つかったら、その前までに答えがあると目星をつけることは可能です。
読むスピードは、量がものを言います。決して十分とは言えませんでしたが、同じ問題を何度も解きながらできる限り読むスピードを鍛えました。
リスニング
付属のCDとYouTubeの模擬リスニングに取り組みました。
集中力の途切れるタイミングがあったので、そこで聞き逃すことが多くありました。その弱みを克服することに全力を尽くすことに。具体的には「あ、気が抜けた」と自分で思ったタイミングに「今こそ集中せよ!」と暗示をかけて取り組み続けるという感じです。
何回かリスニング問題に取り組む上で、長い音声の中、どのタイミングで設問の話題に触れるかを意識しました。全体を注意深く聞きながら、キーワードや関連語、言い換えた言葉がないかに耳をそばだてました。
また、耳を慣らす必要があったのでPodcastsで6 MINUTE ENGISH という番組を通勤や部活の移動中に聴いていました。あれはだいぶ良かった気がします。
スピーキング
ズバリこの3つを頑張りました。
①YOUTUBEで勉強
②問題集を元にレコーディングをして練習
③ALTや英会話教室の先生に協力してもらう
まずはYou Tubeでやるべきでないことを押さえます。先ほど述べた通り、条件を満たさなければペラペラでもスコアを取れないからです。
問題集で練習し、流れを掴みます。また、録音することで自分の癖を掴みます。そして最後に実践です。
便利な世の中、オンライン英会話も豊富ですし、Language Exchangeと呼ばれる言語交流も行われています。今は色々なところで英語を話す機会があるんだなぁと実感しました。
当時のメモをまとめると個人的に心得ていたことは次の2つ。
・話さなければ話せない
・話す内容がなければ表現を考えられない
最終的には「なんだ、簡単に言い換えることができたじゃないか」となることも多いです。ただ話さなければ表面的な暗記となり、試験官はそれを見抜きます。単に英語を話すだけでは不十分だと判断したので、過去問やYouTubeを見て問題形式に慣れながら語彙を増やしました。
最後に
8.5の受験者のスピーキング動画などを目にすると、自分は劣っているのではないか、もっと高みを目指すべきではないか。一方で自分は何度取り組んでも5.5しか取れないから、もうあきらめたほうが良いのではないか。
こんな風に思うこともありました。でも8.5の受験者には彼らの目標があり、6.5を目指す僕には僕の目標があります。そこに気づいてからは自分のことに集中できるようになりました。
「学校で習ってきたから」「自分はこっちの方がしっくりくるから」と自分の中で知らず知らずのうちに作られた固定観念に縛られていないか確認してみましょう。
ちなみに余談ですが、IELTSを申し込みました。バカ高いお金を払ってしまいました。1つの区切りとして自分がどのくらい成長したのか。しっかり準備してより高いスコアが取れるよう臨みたいと思います。
あとは、複数回の受験を想定していたので学習内容を分析するためにたくさんメモしていました。そのおかげでこれだけ書けたので、会議の記事でも取り上げましたがやはり記録は大切だと改めて認識しました笑。
では。
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