【Writing #5】「B2からC1へ」英語ライティング上級者が到達するポイントとは。

どもども、Kaiです。12月に入りましたね〜。先日、UOWにいる友人から連絡がありまして。それ自体が嬉しかったんですが、僕のブログをなんとUOWの学生に読んでもらっているという話を聞いてビックリ笑。

誰かの役に立っているというのは、嬉しいかぎりですね〜

さて、今回はライティングの番外編。まずはこちらをご覧ください。

これは文部科学省が平成30年(2018年)に示した各資格や検定とCEFRの対照表です。これを踏まえてアカデミックライティングに通じる語彙の目安表を、僕の方で新たに作成しました。

以前までに紹介したライティングの極意3本柱を活用できる前提で、

16,000語の語彙をしたがえていれば、理屈上・・・は、IELTSだろうが英検だろうが最上級のライティングが書けるということになります。

しかし、上記の項目を満たした上でも、アカデミックライティングにて100発100中で上級の文章を作るのは非常に難しい、というのが現実です。このように語彙や文法などは押さえた前提で、それでも伸び悩む方(表で言う中級に留まってしまう方)、いると思います。

何がライティングの質の上級と中級を分けるのでしょう。上級者のライティングが書ける方も、教えるとなると感覚的で難しいのではないでしょうか。今回はそんなモヤモヤを晴らします笑。

さて、ここに2つの文章(A)と(B)があります。どちらがより良い文章でしょうか。

(A)
The first study abroad of Teacher A potentially draws attention to rich communicative interaction, which later shaped his teaching philosophy that interactive approach is pivotal for students to learn English. Teacher B found that the teaching strategy that was generated based on her first study abroad was not effective in her teaching context, which subsequently forged her teaching philosophy that perfect understanding of grammar and syntax should be prioritised. These reflections let them contemplate what they value, triggering the questions they would like to explore in the second overseas study.

(B)
Rich communicative interactions are potentially drawn attention to through the first study abroad of Teacher A, which later shaped his teaching philosophy that the interactive approach is pivotal for students to learn English. Meanwhile, Teacher B found that the teaching strategy that was generated based on her first study abroad was not effective in her teaching context, which subsequently forged her teaching philosophy that a perfect understanding of grammar and syntax should be prioritised. These reflections let them contemplate what they valued, triggering the questions that they would like to explore in the second overseas study.

より良い文章は・・・(B)です。

それが感覚的にわかるか、言語化できるか。もしくはその核心を感覚的に理解するか、再現できるか。ここが中級と上級を分ける境界線。

ライティングの質の上級と中級を分けるもの、それは“一貫性”です。

一貫性の高いライティングは明確性が高くなるため読み手にとって非常にわかりやすい文章となります。そんなのわかっているよ、と思いがちなのですが、実は一貫性にはテキスト次元センテンス次元が存在します。

テキストレベル :文章全体の枠組みが整っているか
 エッセイならばIntroduction (10-15%) – Body (75-80%) – Conclusion (10%)
 パッセージはトピックセンテンスから始め、サポートセンテンスで繋ぐ
 少ない語数で表現する文章(意見文など)であればPREP, STEELなど。

センテンスレベル :文と文が繋がっているか
①すべての文は前後が繋がっていなければならない。繋がっていないならば明示する。
②1番伝えたい情報を最初へ持ってくる。

特になおざりになりがちなのがセンテンスレベルでの一貫性。これはね〜、僕も難しいと感じるところです。そして、これを踏まえて新たにアカデミックライティングに特化したルーブリックを作成しました。

これらを体系的に押さえているかどうかが一貫性を左右します。中級と上級を分けるのは、この一貫性をどれだけ把握しているかです。

中級者もキラリと光る文をいくつも書きますし、視点の鋭い文章であれば内容点で高い点数を稼ぐことも可能です。センテンスレベルでつながっている文章を書くこともできます。

では、両者は何が違うのか・・・

両者の違い。それは“再現性”です。中級者は感覚的で再現性に欠ける一方で、上級者はそれを体系的に把握し意図的にキラリとした文章を作ることができます。

特に、センテンスレベルの一貫性にこだわると、非常に英文としての見栄えも良くなります。

先ほどの文章を見てみましょう。(A)の文章について、センテンスレベルで一貫性を振り返ると、まず、条件①の視点から第2文は1文の情報に続く文章が原則であり、もし変えるならばそれを示す語が必要です。

また、条件②の視点から言いたいことは最初にあるわけですからThe first study abroad of Teacher Aとthe teaching strategyが比較されてしまっています。

大切なのは、書き手がそういう意図でなくても読み手はそう理解すると言うこと。なぜなら英語とはそういう言語だからです。These reflectionsも最も言いたい部分が異なった2つの情報を指していて一貫性に欠けてしまうのです。

一方で、(B)は比較のDiscourse Markerが置かれ、両文とも価値観の部分が最初に来ているのでThese reflectionsも同じ視点の情報を含んでいることとなり、一貫性が高くなっています。

これはセンテンスレベルの一例ですが、これがミクロに全ての文章でなされていると文章のレベルは飛躍します。いわば文頭の情報焦点が揃っているかどうか。それがセンテンスレベルの一貫性を決定づけるのです。

いかがでしたか。これが僕のお伝えできるライティングの体系的な上達方法です。今回の話は、実際にやってみると途方もなく難しいのがわかります。

しかし、これらを自在に操ることができたなら、おそらくもう一次元上のライティングの世界へ行くことができることでしょう。

英語のライティングは課題を網羅し、3つの柱を心得ることで、その質を何倍にも高めてくれます。それでも十分レベルは高いですが、もしその上を目指したい方は是非センテンスレベルでの一貫性に気をつけてみてください:)では。

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