【英語学習】リスニング力をアップさせるための科学的アプローチ:英語リスニングの『聴く』仕組み②

Kai
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リスニング力を上げる縁の下の力持ち!

どうもKaiです。リスニングのメカニズムを科学的に解明する記事第2弾。1つ目の認知処理の記事はこちら

リスニングスキルには3つの構成要素が存在します。それがコチラでした。

今回はリスニングを鍛えるために欠かせない「活用できる知識」についてお話しします。リスニングが苦手だなと感じている方、もしかしたら「耳」だけの問題じゃないかもしれません。実は、頭の中で「どう解釈するか」に関わる知識が大きく影響しているんです。

リスニングをスムーズにするためには以下の4つの知識が重要です。

・言語の知識 (Linguistic knowledge)
・実用的な知識 (Pragmatic knowledge)
・予備知識 (Prior knowledge)
・談話の知識 (Discourse knowledge)

1つずつ見ていきましょう。

言語の知識って聞くと、語彙や文法を思い浮かべますよね。実際そのとおりで、言語の知識とは、語彙や意味、文法や構文などのいわば、英語と言われたときに最初にイメージされる「英語力」です。

言語の知識はリスニング理解力のキホンのキ。でも、実はそれだけじゃありません。発音やイントネーション、省略形、文脈でのニュアンスまで含まれます。

例えば「Gonna」や「Wanna」のような口語表現、ニュースでよく聞く強調イントネーションなど、こうした知識が「何を言っているか」を正確に理解するカギになります。つまり、リスニングの基礎体力みたいなものですね。

実用的な知識とは、文意を汲み取るための知識。会話がなされた状況や、前後の文脈を把握することで解釈が変わること、ありませんか。

発せられたスピーチが質問なのか、皮肉なのか、真意を読み解く必要があります。

また、フォーマル・インフォーマルで話し方も変わりますし、イディオムやスラングといった文化的な知識もリスニングには大切な要素です。

リスニング力を底上げする秘密兵器が、この「予備知識」。知らない話題だと、どれだけ頑張っても内容が頭に入ってこない…そんな経験ありませんか?

予備知識とは、話題についての知識。すなわち前提知識や背景知識です。

例えば、テクノロジーに詳しい人がiPhoneのプレゼンを聞くのと、全く興味のない人が聞くのでは、理解度に差が出ますよね。これは「背景を知っているかどうか」が関係しています。知っているほど話の解像度が変わるため、スムーズに内容が入ってくる。

特に前の記事で紹介した認知処理の活用フェーズにおいて、その解釈に決定的な役割を果たす知識。この知識は文脈に沿った情報をより効率的に処理するための秘密兵器なのです!

最後は、文章やスピーチの「流れ」を理解する力です。話の構成やキーワードに気づけると、聞き取るのが楽になります。

例えば

「First of all」→ 次に何か重要なポイントが来るな、と予測。
レストランの受付で「〇〇さん、お待たせしました」→ 名前や番号が呼ばれる、と予想。

こうした談話の知識があると、全体の流れを掴みやすくなります。このように、話の状況や会話のくだりから文章がどう展開されていくかを把握していく知識です。

いかがでしたか。今回お話しした「言語の知識」「実用的な知識」「予備知識」「談話の知識」は、リスニング理解の土台そのものです。これらをバランスよく伸ばしていくと、「聞き取れる→解釈できる」にぐっと近づきます。

最初から全部を完璧にする必要はありません。もしかしたら、背景知識がない、文脈を読む力が足りないなど「耳」以外のところに伸び悩む原因があるかもしれません。まずは自分が「苦手だな」と感じる部分をチェックしてみてください。それが、リスニング向上への第一歩です。

アプローチの転換として一度、知識の守備範囲を確認してみてはいかがでしょう。では。

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