こんにちはKaiです。今日は書評コーナーです。
今日は僕が自身の留学経験と、高校での教員経験を踏まえて「なるほど、これは確かに的を射ている!実践でも通用するぞ」と感じた本を独断と偏見で紹介していきます。
今回紹介する本は「コミュニケーション」に関する内容になります。
アガサ・クリスティー。
推理小説好きでその名を知らない人はいないでしょう。「そして誰もいなくなった」、「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか」など数多くの推理小説を生み出してきた大作家です。
推理小説かよ!と思うかもしれませんが、特筆に値する魅力を書いていきますので、そのままお付き合いください笑。
紹介するのは「ABC殺人事件」。
本のタイトル:ABC殺人事件
著 :アガサ・クリスティー
出版社 :早川書房
本の長さ :412ページ
この本はコミュニケーションの本質を掘り下げた推理小説でもあり、こんな方におすすめです。
・アガサ・クリスティーが好き
・エルキュール・ポアロが好き
・推理小説が好き
・コミュニケーションの本質を垣間見たい
僕がこの本をおすすめしたいポイントは次の2つ。
1. ストーリーがおもしろい
2. 推理の進め方に示唆されるコミュニケーションの本質
では早速見ていきましょう!
1. ストーリーがおもしろい
まずはなんと言ってもアガサ・クリスティーの作品「ABC殺人事件」。探偵のエルキュール・ポアロという人物が扱う事件簿ですが、めちゃくちゃ面白いんです!
Aの地名でAから始まる女性が殺され、
Bの地名でBから始まる女性が殺され
Cの地名でCから始まる男性が殺され・・・
ポアロに届いた予告状、現場にあったABC鉄道の案内、第2・第3の挑戦状。
話が進む中で、翻弄されながら最後まで解き明かしていくストーリー展開が堪りません。スポイラー(ネタバレして楽しみを奪う人)になりたくはないので事件の真相はぜひみなさんの目で:)
2. 推理の進め方に示唆されるコミュニケーションの本質
感銘を受けたのが推理の進め方です。
僕がこの作品をお薦めする1番の理由と言っても過言ではありません。
「わかっていると思っていたことを改めて口に出して整理すると、新しい発見がある」ということを、この小説は鮮やかに描いています。
さらに、それは人と共有する中で他者の情報と思わぬ所で繋がり、新しい発見として紡ぎ出されていくのです。
通常、人との関わりは相互の交流です。人は人と話し合う中で、時にはぶつかり、時には折り合いをつけることがあります。そこに唯一の解はなく、お互いが納得する解を求めていく。
この他者との交流によって見つかる発見こそ、人と関わる中で本当に価値のあるものではないでしょうか。
「もう知っている」と蓋をせず、記憶や知識を何度も咀嚼することで新しいアイデアを見出していく。読み進める中で、まるでそんな体験ができるように書かれているのです。
1回で分かり合う、1回ですべてをわかった気になる。そんなもったいない決めつけは発見の目を曇らせます。何度もおさらいし、話し合うことで新しい発見をしていくポアロの姿はまさにコミュニケーションの本質そのもの。人と関わることの価値を実感したいという方、是非手に取って読んでみてください。
まとめ
いかがでしたか。
今回は推理小説界の巨匠、アガサ・クリスティーの名作 エルキュール・ポアロの事件簿「ABC殺人事件」をコミュニケーションの本質という視点で紹介しました。
人との関わりが希薄と言われる現代。
まさに対話は繰り返されど、同じではないという感覚を思い出させてくれる1冊です。SNSに疲れてしまった方、コミュニケーションの難しさに悩む方、是非ご一読ください:)では。
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