ども、Kaiです。ちょうど2年前の今頃にオーストラリアへ発ちましたね〜。時が過ぎるのは早いもの。同じ地元で先生をされている友人がUOWへ挑戦します。ビーチの街ウーロンゴンを堪能すると思うと嬉しいながら羨ましいです笑。
さて、前回はスピーキングを構成する1つ目の要素を押さえました。

今回は2つ目の要素「基本的な話すスキル」について解説します。
基本的な話すスキル
知識があっても、話すスキルが乏しければスピーキングは伸びません。使わないと身に付かないからです。
英語教育でパラダイムシフトと言える視点の1つで、「プールサイドで学ぶだけではなく、実際に泳がなければ泳げるようにはならない」と少し前に謳われた側面でもあります。
話すための基礎スキルは以下の4つに分類されます。
・発音
・スピーチ能力
・相互交流の確立
・談話の拡張
発音スキル
これは前回1つ目の要素で紹介した「音韻の知識」を知っているだけでなく、実践できるかと言う話ですね。知識を使う技術があるか。細かいですが、一応スキルとしても認識されています。
スピーチ能力
スピーチ能力はコミュニケーションに必要な社会的な能力として取り上げられています。たとえば相手の意見に反対するときは、相手に寄り添ってから、反する部分を伝える方が賢明です。
また、英語圏ではオープンに反対するからと、日本で人の意見に大っぴらに反対すると関係がこじれるのはよくある話。これらは英語の文が正しいかどうかとは別の発話に関する知恵の領域。
相手の立場や感情を配慮する視点といった社会的な目が求められるということでしょう。
相互交流の確立
意外と自分が話したいことだけ話して気持ち良くなりそのまま終わりみたいなことはよく起こります。
しかしコミュニケーションはキャッチボール。相互にやりとりをしてこそです。そこに求められるスキルとして、具体的には
・会話を振ったり、続けたり、終わらせるスキル
・相手に主導権を渡すスキル
・誤解なく話を進めるスキル
・トピックを変えるスキル
・言語&非言語の表現を認識するスキル
などが挙げられます。会話やディスカッションの上手な方がいますが、こうした相互交流を機能させられるセンスは、実は磨いて伸ばせる技術なんですね。
談話の拡張
聞き手と同じ会話という名の舟の中にいて、同じ方向へ向かう力。より良いスピーキングとは、会話の方向性にも影響を与えます。ディスコースマーカーなどもここに含まれます。
ちなみに教えるという観点において、話すための基礎スキルのすべてを1つの活動で教えるのは非現実的です。ストーリーテリングで「適切な構成が作れるか」「イベントや人といった対象を描写できるか」「ストレスやイントネーション、発音やリズムに気を配れるか」をすべて詰め込む・・・みたいなことです。
スピーキングを伸ばすために優先されるのは「ただ話す活動」ではなく「明確な目標に沿った話す活動」。「やみくもに泳ぐ」のではなく「平泳ぎの息継ぎを覚えるために泳ぐ」みたいな感じです。
まとめ
いかがでしたか。

これは言語を問わず、そもそも上手に話すための資質ですね。個人的にもぼんやり頭でわかっていることを言語化したような感覚です。ただ、科学的に保証された点で力強い回になりました。
一方的に相手をのっけから否定してばかりの人や、自分のことだけにしか関心のない人、相手の思いを汲み取れない人が、言語を変えたからといってスピーキング能力を上げられるわけがないのです。
英語を学ぶとクリティカルシンキングやメタ認知が向上すると言われるのは、もしかするとこうした要素の大切さに気づけるからなのかもしれませんね。
心に留めておきたいのは、これらは“獲得可能なスキル”だという点です。前述しましたが、生まれ持ったセンスではなく、磨くことで身に付く技術なんですね。次回は、3つ目の要素、コミュニケーションの戦略について話していきます。では。
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