ども、Kaiです。さて、前回は「解像度が低いまま教えること」の危険性について書きました。今回はもう一つの言語化能力が高くないと、どんな落とし穴があるのかを書いていきます。
言語化能力が高くないと、何が起こるのか
不十分な言語化能力によって引き起こされる問題、それは次の2つです。
・意図が伝わらない、浸透しない
・不必要な不文律が増える
言語化する能力が高くないと、話をしてもその意図が伝わりにくい、そしてアイデアが浸透しにくい傾向が見受けられます。
いわゆる「言葉足らず」も該当するので、イメージが付きやすいのではないでしょうか。
例えば、サッカーの指導において、対人のシンプルなダイレクトパスを基礎練習で取り入れるとします。その意図は大きく次の3つです。
・ダイレクトプレーは難しい
・試合での有用性が高い
・工夫の余地を残すための基礎練習
これらを前提にした次の3人の説明を見ていきましょう。
荒位さん
パスは大事だから。ダイレクトで返せないと上手くボールを回せないから。ちゃんとやりなさい。
中位さん
最も難しいプレーはワンタッチで正確にボールをコントロールすること。ワンタッチで正確にボールをコントロールできれば、相手を切り崩す大きな武器になる。ダイレクトで正確なコントロールがその基本になるのは必須。ということは、毎日のパスをただこなすだけでなく工夫が必要。
細位さん
試合の中で最も簡単なプレーは自由にタッチできること。逆にいえば、最も難しいプレーはワンタッチで正確にボールをコントロールすること。何回タッチしても良いならどんな難しいボールも、どんなに速いボールも処理できる。
でも実際はそうは行かない。相手を切り崩すとき、相手の追いつけないタイミングやリズムの変化を駆使して攻めていく。
すなわち、ダイレクトで正確なコントロールが”連続できる”チームであることが求められる。ワンツーワンワンツーで針の穴を通すパスができるのは、そこに関わるプレーヤーがダイレクトを心得ている前提がある。
ということは、パスの足の角度やルックアップのタイミング、パスの強度や精度などの細かい調整や工夫が必要。だから、ダイレクトの最も基本形である対人パスを取り入れる。
どうでしょう。もちろん3人とも同じ意図を説明しているつもりです。彼らの違いは名前の通り、説明の粒度です。
荒位さんは感覚過ぎて伝わらないのは何となく想像がつくと思います。中位さんは、僕の経験的にも大体の方が該当します。細位さんは非常に粒度を細かくしており、聞き手が非常にイメージしやすいですよね。
ここでのポイントは、たとえあなたが細位さん並に意図を理解をしていても、言葉にする力が不十分だと荒位さんが伝えられるレベルと同じになってしまうということ。
そして、僕の経験上、これは規模が大きくなるほど、または全体像が広がるほど難しくなっていきます。状況が複雑に分散し、手に負えなくなるためです。
すると往々にして「その場面なら言わんでも普通こうだろ」が新参者にも適用されてしまいます。
「言わなくてもわかる」が絶大な力を発揮するのは説明できるけどする必要がないくらい浸透している場合です。説明できないけど感覚的に多分そうという場合に頼ると待っているのは悲惨な未来。
不必要な不文律が作り上げられ、言葉を選ばずに言えば、諂上欺下や巧言令色に行き着くことだってあり得ます。あな恐ろしや・・・
しかしながら、やはり達人は初心者にもわかりやすく説明できるんですねぇ。それだけでなく、経験者にも一目置かれます。
デキる選手は「わかってますよ感」を出しながら斜に構えて話を捉えることも少なくありません。しかし、達人はそんな彼らに冷笑的な態度を内省させることさえできます。これは本当に圧巻です。
最後に
今回も自戒の念を含め不十分な言語化能力によって起こることを取り上げました。わかりやすく説明できる力、言葉にして伝える力というのは本当に難しいです。
だからこそ鍛えがいのある分野でもあります。きっと達人も最初から上手だったわけではありません。僕も道半ばですが、そんな希望を拠り所にして今回は終えたいと思います:)

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