【イケてる会議は面白い#4 レジュメ】会議前から戦いは始まっている!レジュメ作りを元教員が解説。

Kai
Kai

会議のレジュメはどう作成すればいいの?

先日イギリスでPhDを専攻している友人とFacebookで久しぶりの通話。気付けばあっという間に4時間。時間を忘れるってこういうことなんですねぇ。夏休みが待ち遠しい思いと迫り来る課題の恐怖の狭間で Get a grip!!:)

さて、ここ最近続けている話題こと会議ですが、会議の前から戦いは始まっているのをご存じでしょうか。そう、準備です。

・レジュメが整理されていない
・議題が適切な時期でない

こういった会議そのものを揺るがす問題は野放しにできません。そこで今回はレジュメの作成について書いていきます。

レジュメ作成は時間がかかるもの

そもそもレジュメの準備にはどのくらい時間をかけるものなのでしょうか。実は私は毎週1時間以上平気でかかっていました。これはひとえに僕の力不足でもありますが、もし、30分で作れていても1〜2時間は時間を取っていたでしょう。なぜかというと、本番より少ない準備時間で本番をこなすことは難しいと考えているからです。

僕はサッカーをやっていました。80〜90分の試合のために何時間も練習しました。

大学生のときはバンドをやっていました。10〜20分の演奏のために何時間も練習しました。

学生のときはテストを受ける側として何時間も勉強して本番に臨み、教員のときはテストを作る側として何時間も推敲すいこうしテスト当日を迎えました。

そう、世の中だいたい準備に投下する時間の方が、本番の時間よりも圧倒的に長いのです。50分しかない担任会を回すためには、いかに段取りを上手に組んでおけるかが大切。当然、時間の配分も見通しが必要です。

忙しくて、そんな時間はないと言うのが本音と思いますが、あえて言うならば時間は作るもの。1週間の中で、「この時間はレジュメを作る時間にする」と決めてしまうのです。その時間、極力他のことはしない、と決める。

空いた時間にやろうとするレベルで良い会議を展開しようと言うのは少し都合が良すぎるんじゃないのか。

そう自分に言い聞かせてレジュメを作っていた記憶があります。もしレジュメの作成に時間を割き過ぎているかもなぁと思っている先生が見えたらそんなことはない、むしろ素晴らしいと自分を褒めてあげてください。

早めに取り組むことが誠意     

レジュメや会議の質を上げる最も効果的な方法は早めに取り組むことです。時間に余裕を持って早めに取り組むことは他の先生の時間を尊重する態にもつながります。

各都道府県の学校数などの事情が人事に影響を与えると思いますが、実際、学年主任を含めた内々の交渉は遅くて3月下旬ではないでしょうか。

そこから入学式までの1〜4週間が戦いです。あとは、定期考査や長期休暇などのまとまった時間が取れるタイミングを活用しましょう。

まずは年間行事計画と、過去の学年主任の担任会ファイルを読み込みましょう。理想は3年間、無理なら最初の1年間ですが、少なくとも3〜4ヶ月単位で学校行事を確認するといいと思います。

その際確認するのは

・行事がいつ実施されていたか
・その議題がいつの担任会で出たか
・翌年度の年間行事計画ではいつ実施されるか

ここから翌年度はそれぞれの議題をいつ担任会で取り上げるべきかを割り出します。

ぶっちゃけ自転車操業で動いている行事も少なくないです。肌感ですが昨年度の取り掛かりよりも1〜2週間早めに始めると時間に余裕ができます。いきなりギリギリに議題に出しても担当者は困ってしまいます。そこで、1〜2週間早めにリマインドするわけです。そうすることによって、担当者の孤立を防ぐことができます

例えば、授業参観日の放課後に学年保護者会を実施し、そこで学年主任が話をする、と言うのはよくあるパターンです。

せっかく都合をつけてくれた保護者に対し、参加してよかったと感じてもらえるように有意義な時間を提供したいところ。

ここで案内が来てから取り組んだ場合と、早めに取り組んだ場合を比較してみましょう。

要項が出てから考えた場合

何について話せばいいかを考え始める。

当日までに日数もなく担任会も十分に実施できない。

話題に上がるのが遅いため担任に話を振るのもはばかられる。

結局、学年主任1人で昨年度の話を参考に同じような内容をなんとなく話すことに。または、バタバタになることを承知で担任に動いてもらうことに。

要項が出る1〜2週間前に考えた場合

各分掌(教務・進路・生徒指導)で伝えたいこと、または伝えない方が良いことを担任会で吟味。

場合によっては各分掌に投げかけることも。

受付や個別相談といった協力もスムーズに担任に依頼。

他学年の先生に話をお願いすることも可能(ただしその学年の主任には必ず相談し、抜け駆けみたいにならないよう注意しましょう。)

こうして改めて比べると時間に余裕をもつのが圧倒的なアドバンテージだとわかります。

行事に追われる1年にするか、行事を追う1年にするか。考え方は人それぞれですが、多くの方が前者を選んでしまっている気がします。それが学校の当たり前になっているからです。

そして、何よりチームで前向きに動くことができます。「明日までに話の内容を考えてほしい」と前日の午後4時に言われて喜ぶ先生はいないと思います。

昨今、マインドセットについて常にポジティブ変換しようとうたう本が多いですが、そんなギリギリに頼まれて思えるかいなと言うのが本音です。「いや、やるけどさ・・・」と思われるか「よし、やろう」と思われるか。月並みですが、やはり時間に余裕を持って取り組みましょう:)

レジュメにも意図を     

議題をあらかじめ担当者から集約し、その内容もザッと確認しておきましょう。持っていきたい方向へ進むような書き方でレジュメに載せることができます。

前日や前々日までに集約、レジュメを完成することが望ましいですが、時間割の事情柄、なかなか難しいのが現状。その場合はイレギュラーだけ対応すれば良いようにしておきましょう。

レジュメに工夫を散りばめよう(具体的な実践例)

実際にどんなレジュメを作っていたかをご紹介します。主任時代、僕はこのようなレイアウトでレジュメを作っていました。

※生徒情報の記載者、生徒は架空です。

レジュメ作成のうえで私が工夫したのは次の3つ。1つの参考となれば嬉しいです。

1.議題は分類して表記する      
2.生徒情報は電子化     
3.別添資料はわかりやすくまとめる

議題は分類して表記する

議題は必ず整理・分類しましょう。

案件には少なくとも以下のフェーズがあります。

提案・相談 ― 検討 ― 確認 ― 決定 ― 実践・報告

どの分掌から出た案件なのか、そして報告なのか、確認なのか。その認識を統一するだけでも会議は変わります。

分掌や学年を跨ぐようなものは検討1 ― 確認1 検討2 ― 確認2のように検討部分が増えますが、原則的には同じ流れです。

「確認」の話題を「やるべきかどうか」という「提案」段階の観点で話していては、一向に進みません。この分類は今我々が何を考えれば良いのかを統一する標識として非常に有効です。

生徒情報は電子化

生徒の情報の共有は、教員として最も大切なことの1つ。チームで対応するためにも不可欠です。

しかし、そこに莫大な時間を要する必要があるかというと僕の答えはNOです。私は生徒情報の記録は電子化し、そこにあらかじめ先生たちに記入してもらうようにしました。これにより生徒情報の共有にかける時間は5分程度まで縮みました。

生徒情報の電子化についてのメリットなどはコチラでまとめていますのでご覧ください。会議の時間は限られています。主任はその中で数多くの議題を回していく必要があります。

――生徒情報の交換で時間がかかってしまい他の議題を煮詰められませんでした――

運営委員会から各学年で揉んでくれと言われた議題が、そう返答される場面も見てきました。これは本来あってはならないことです。頼んだことに対して「生徒のことで……」と返されては「そうは言ってもしっかり検討して結論を出してきてくれないと」とは管理職もなかなか言えません。

その結果、職員会議で「そんな話聞いていない」という声が上がり、「あなたの学年からそんな意見は出なかったのに今更何を言っているのか」というチグハグな攻防戦へと発展するのです。

そんな時間問題を工夫で解決できるなら、するに越したことはありません。そして何より、生徒情報の共有に大きく時間を割いている学年と比べても遜色なく共有はできていました。ただ、個人情報には最大限の注意が必要です。生徒情報のファイルは必ず鍵をかけましょう

別添べってん資料はわかりやすくまとめる

別紙は会議前までに各資料にナンバリング、左上をステープラで閉じておきました。僕は教育実習のとき、担当の先生から「生徒は学びにきている。だから学ぶ以外のところでつまずかせてはならない」という言葉をいただきました。

会議も同じではないでしょうか。議論以外で悩んではならない。議論しにきてもらっている先生たちが「別紙ってどれのこと?ガサガサ」と資料をいちいち探すのは時間の無駄です。

1人一部ずつ取っていってもらうとか、配るけど乱雑なままとか、いろいろなやり方にそれぞれメリット・デメリットあると思いますが、僕は「会議の時間を最大限とる」ことを最優先していました。

まとめ

いかがでしたか。

今回はレジュメの作成についてお話しました。そして、早めの取り掛かりがいかに大切か、実践例として私が工夫していた

・議題の分類
・生徒情報の電子化
・別紙の整理

を紹介しました。

「そんなこと」と思っている内容が、会議術の本などに大きく取り上げられていることもあります。つまり、イケてる会議をするために必要なのは派手な大技ではなく地味な小技をいかに丁寧に活用するかなんですね。

受け取るときは当たり前すぎて誰も気付かない。そんな自分だけの創意工夫を凝らすのも、もしかしたらファシリテーターの醍醐味かもしれません。僕なんかよりはるかに良いレジュメを作っている方もたくさんみえると思います。

レジュメも使い回しではなく、自分の会議が最も機能する形式を模索してみてください。どんどんイケてる会議にしていきましょう!

では。

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