ども、Kaiです。朝と夜は秋らしくなってきました。昼、乗り遅れとるぞ!笑
さて、実は通信制教育の講師として働くことになりました。教員時代に触れましたが、正直あまりわかっていませんでした。
しかし、教育者として正しく理解しておくべき分野の1つではないでしょうか。そこで今回は通信制教育の基本情報やその魅力、そして抱える課題を紹介したいと思います:)
基本情報
通信制教育は主に、2種類の機関から成り立っています。通信制学校と通信教育 連携協力施設、通称サテライト施設です。サテライト施設はサポート校・高認予備校・技能連携校・高等専修学校などの総称です。
これらを高卒資格の取得が可能かどうかで改めて分類すると
となります。
サポート校は「学院」「スクール」、高認予備校は「予備校」「学院」などの名称を使っているよ。文科省に認可されていないので学校を名乗れないんだって。
中でもサポート校は通信制高校と連携していることが多く、そこに通う生徒の学習や生活リズムの確立をサポートする役割を担っています。
塾と違うのは生活指導、メンタル面のサポートも行う点。フリースクールと違うのは提携している通信制高校の卒業を目指す点です。
学校・施設の数
通信制学校の数は、全国で 303校 (2024年。)
252校 (2018年) から、加速度的に増えているのがわかります (主に私立。)
サテライト施設は、全国 3,398カ所 (2024年。) 文科省によると高校生が前年度より 12,000人減っているので非常に需要が高まっている分野といえます。
生徒数
生徒数は、全国で 290,118人と言われています。29万人というと地方都市の近郊エリアの人口と同じくらい。かなり多いのではないでしょうか。
文科省が令和2年で20万人強とレポートしているので、その急速なニーズの増加が伺えます。
なお、約 6 割の生徒が不登校経験あり。その原因も人間関係や、学習不振、集団への抵抗など多様化しています。彼らに個別でのサポートを考えると、サポート校が増えているのも納得です。
メリット・デメリット
通信制の学校のメリット・デメリットは以下の通り。
メリット
・毎日通う必要がない
・自分のペースで勉強できる
デメリット
・自分で学習管理をしなければならない
・社会性を育むための支援が少ない
・大学受験対策として別の塾や予備校に通わなければならない
・進路決定率の低さ
メリットはやはり、登校がない・自分のペースでできる、この2点です。通信制の学校にはそもそも不登校という概念がありません。自分で学習を進められるなら非常にありがたい利点です。
一方で、デメリットが多いのも事実。メリットの裏返しですが、当然ながら継続的な学習管理が求められます。また、人と一緒にいる時間が少ないため、通信だけでは社会性を磨く機会が少ないのは間違いないでしょう。
文科省のデータを見る限り、通信制学校の退学率は 5%前後を維持しており決して卒業率は低くありません。一方で、進路が未決定のまま卒業する割合が 30%を超えています (全日制は約4%)。つまり、「卒業しただけの層」が非常に多い、これが実態です。
しかし、これは情報を切り分けて考える必要があります。それを次の章で紐解いていきます。
社会や認識のズレ
通信制学校とはそもそも働きながら高校卒業の資格が得られるよう設計された制度。それ以上でもそれ以下でもありません。
もちろん全日制で馴染めなかった生徒のために設けられた学校でもないので、正しい現状は「高卒の資格を得られる”登校の概念がない場所”を、ニーズの被った生徒が利用している」です。
つまり、「卒業しただけの層」が非常に多いのではなく、そもそも「卒業しただけの層」を輩出するのが通信制課程の本来の姿なのです。
就職や大学進学の支援など知ったことではありません。この認識のズレは通信制教育が抱える課題でもあります。
卒業時点で必要最低限度の学習を終えることがゴールの世界。大学進学が当たり前となってきた現代社会では、その学校の意義が生徒のゴールといささか噛み合っていない現状があります。
それぞれの機関には役割があります。逆に言えば、それを逸脱した範囲は網羅していないため、学習者が自身で組み合わせる必要があります。
そのミスマッチをカバーしているのがサポート校と言えるでしょう。したがって通信制の学校を選ぶなら、提携先のサポート校を把握するのが非常に大切ということです。
表のとおり全日制は全てをまかなっています。高卒の資格、学習の補完、進学のサポートなど至れり尽せりです。しかしながら、世間ではそれをすべて担うのは決して当たり前ではないんですね。
最後に
いかがでしたか。今回は通信制教育の基本情報をまとめてみました。
その出発点は通信教育の現状の正しい把握です。学校教育現場では、通信制の学校に対し、あまり良い印象のない方も見えました。
自分たちでなんとかしたいという思いと、経験からくる学校としてのプライド、そして学校という独立したコミュニティによって、認識がアップデートされにくい環境にいるのは間違いないでしょう。
大切なのは仕組みと現状を客観的に捉え、考えることではないでしょうか。とりあえず半年潜入して学んできたいと思います。生徒と一緒に成長するぞ〜。では。
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