
授業の明暗を分ける発問とは?即実践可能なノウハウを詰め込んだ1冊。
ども、Kaiです。今日は久しぶりの書評コーナー。
教員採用試験も近くなりましたね〜。大学の教育実習で出会ってから、ずっと今でも手元に置いている教師のための本があります。ということで、今回紹介する本はコチラ。
本のタイトル:子どもの力を引き出す 新しい発問テクニック
著 :桔梗友行
出版社 :ナツメ社
本の長さ :168ページ
教採含めた模擬授業や、日々の授業改善で悩む方へ。
今回は「発問」に特化した実用書をご紹介します。問い方1つで授業の流れが変わる――そんな実感を得られます。
この本は、大学の教育実習で活用してから今に至るまで発問に関して主軸となる一冊でした。発問をトコトン掘り下げた本で、こんな方におすすめです。
・より子どもたちが学びに積極的になるような起爆剤として発問を活用したい
・児童生徒に言葉を投げかけても反応がイマイチで困っている
この本をおすすめしたいポイントは次の2つ。
1.発問について深く理解できる
2.すぐに実践できる
では見ていきましょう〜♪
1.発問について深く理解できる
発問ってそもそも何でしょう。
発問と質問は何が違うのか、本書はそんな疑問から始まります。
素朴ながら「うーん」と悩むところですね。
著者によれば
発問・・・答えを知っている教員があえて問いかけること
質問・・・わからないことを問いただすこと
とのことです。
これは確かにそのとおりだと思います。発問は答えをわかっている上であえて問うので、その先の展開をある程度デザインできる。発問を理解するほど、授業の方向性を正確に決められるようになります。
最初の定義1つでこの大発見。良書の匂いがプンプンするぜ、と大学生ながら感じていたのを今でも覚えています(笑)
その他にも発問には
・授業の序盤、中盤、終盤でそれぞれ適切な5つの役割があること、
・一問一答や答えを特定しない発問などの種類があること
・「発散→焦点化→深化」と言う流れがあること
など「知識」が盛りだくさん。掘り下げるとこんなにも使い分けが必要なのかと脱帽です。
2.すぐに実践できる
本書の大きな魅力の1つは上記の知識をすぐ実践できる点です。
発問の役割に関して本書では、
【授業の序盤】
1つ目:動機付け ;〜について知っていますか
2つ目:理解や記憶 ;〜は何だったかな
といった具合に、その発問がどういった言葉がけになるかまで書かれています。経験値の少ない実習生や教員には、この汎用性が非常にありがたいのではないでしょうか。
また、発問の流れも
発散 :返答のハードルを下げること、子どもの理解度を把握すること
焦点化 :思考の観点を絞る
深化 :思考を深めていく
といった具合で、言葉がけに加えてその目的が明確に書いてあります。これが驚くほど心強い拠り所になります。子どもはどの段階の発問かなどと、いちいち考えてはいません。
そのとき、「さっきは自由に発言して許されたのに今回は注意された。なんでだろう。」となる子どもに対し、丁寧にその意図を説明できるようになります。
その他にも「いつものパターン」を作る、制限時間を設けるなど付属して必要となる知識も数多く取り上げられています。汎用性が高く、自分用にカスタマイズしやすいユーザーフレンドリーなノウハウ本です!
まとめ
いかがでしたか。今回は桔梗 友行著の” 子どもの力を引き出す 新しい発問テクニック “を取り上げました。
授業は船旅、子どもは生き物です。
見晴らしの良い綺麗な景色へ向かっていけば、安堵と喜びで子どもたちの表情はきっと明るくなります。そして彼らはこう感じるのです。「もっと早く辿り着くにはどうすれば良いのだろう」
風を読もうとする子ども、航海術を学ぼうとする子ども、効率を考える子ども、船を強化しようとする子ども。
さまざまな考えが交錯し、失敗を重ねながら協働してゴールを目指す。その根底にあるのが教員の舵取りではないでしょうか。そして、授業における舵取りこそが発問です。実際、この本は大いに参考になりました。
子どもの可能性を引き出す発問とは・・・?是非ご一読ください。
では。
コメント