バカの壁で有名になった、あの先生の1冊
今日は書評コーナーです。僕が「なるほど、これは確かに的を射ている!実践でも通用するぞ」と感じた本を独断と偏見で紹介していきます。
今回紹介する本は「人生の教訓」に関する内容になります。
本のタイトル:養老孟司の<逆さメガネ>
著 :養老孟司
出版社 :PHP研究所
本の長さ: 210ページ
僕が唯一高校生から追っている文筆家、それが養老先生です(養老先生は解剖学者であり医学博士でもありますが、僕の中ではまず文筆家です!笑)
多くの本を出されている養老先生、脱帽です。そんな多くの著書がある中で今回紹介するのは、お気に入りの1冊「養老孟司の<逆さメガネ> 」。この本は世の中の当たり前に待ったをかける内容で、読み終えたときに「じゃあ自分は?」と問いたくなる一冊。こんな方におすすめです。
・少しずつ世の中の仕組みがわかってきた社会人1〜2年目
・おおよそ世の中の仕組みがわかってきた社会人10年目
・養老先生が大好きな人(僕です)
私がこの本をおすすめしたいポイントは次の2つ。
1.新鮮な考え方をインテイクできる
2.独特な考え方に感化される自分を楽しめる
では早速見ていきましょう!
1.新鮮な考え方をインテイクできる
独特で養老先生ならではの興味深い視点が至るところに書かれています。例えば、
「現実とは何か?」
この単純な問いについて、明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。一方でおそらく多くの人が描いている「現実とはこういうものだ」といったイメージは重なるのではないでしょうか。
———いるならいるし、あるならある———
これに対して、養老先生は「現実とは行動に影響を与えるもの」と述べています。いるならいるし、あるならあるという知覚は、知識であって現実ではない。そんな話を具体的な例を挙げて展開しています。大学に行くとバカになる、の意味するところも、この考えに当てはめればスッと入ってきます。
また、シミュレーションが効かない状況になると「どうすればいいんだ?」と焦ってしまうことがよくあります。それってそもそも想定外を認めない、ああすればこうなって然るべきという考えが前提になっている。
それってどうなのよと言うんですね。何だか不思議に納得してしまいます。解剖学者で医学博士ゆえに、文系の僕からしたらバチバチの理系であるはずの養老先生。そんな先生が「グレーつってんだからしょうがないじゃん」と言わんばかりに感性を述べられるところに新鮮さがあったのかもしれません。
他にも「自分は変わる、変わらないのは情報」など目から鱗の内容が多く記載されています。
2.独特な考え方に感化される自分を楽しめる
養老先生ならではの視点。それを堪能した後、ではそもそも彼の考え方が独特だと感じるのはなぜだろう、と自問することがあります。
現代への痛烈な批判が含まれるからかもしれませんが、不思議とそう考えてしまうんですよね。すると、そこには自分の考えがないと言うことに気付かされます。
例えば「個性は身体であり、心は共通性そのものだ」と言われて、そうは言っても……と振り返った時に、あれ?個性ってなに?となるわけです。
新しい自分の考えは共通性がなければそもそも考えとして機能しない。
となれば唯一無二の個性はその表現方法になる。
表現ということは伝える過程で必ず体の信号を経由する。
すると個性はやっぱり身体だったのか、と思う。
でも無条件にはそれを受け入れないモヤモヤが残り……なおかつ、もはやかつての自分ではなくて……といった具合で迷宮入りです。養老先生の考え方に感銘を受け、新しい自分が構築されていく。この本はとりわけそういった視点を多く取り扱っています。
この変化していく自分に向き合いたいと思わされてしまうところがなんとも言えない魅力の一つです。
最後に
いかがでしたか。
今回は特に大好きな養老先生の” 養老孟司の<逆さメガネ> “を取り上げました。バカの壁など有名な本は世に広まっていますが、他にも良書は数知れず。
文章はどこか温かみのある物腰で、つい背中を押されて「じゃあ自分はどうなのよ」と考える。社会人になってから読み返すと、不思議とやっぱりおもしろいんですよね〜。
是非ご一読ください。養老先生の話はYouTubeにもあるのでそちらも是非覗いでみてください:)では。
▼さっそくこの本を読む
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