ども、Kaiです。
前回はスピーキングができる人のイメージの共有とそのメカニズム、そして、それらを構成する3つの要素を押さえました。
実は、それぞれを掘り下げていくと以下のようになります。

今回は1つ目の要素「言語と談話の知識」について解説します。
言語と談話の知識
切っても切り離せないのが言語と談話。それらの知識は4つに分類されます。
・文法の知識
・音韻の知識
・語彙の知識
・談話の知識
文法の知識
これはもう言わずもがな、学習者がもっとも馴染みある必須知識です。基本に始まり動詞の時制、構文など。いわゆる一般に習う英語の文法体系のことです。
日本の英語学習者の中で英語が得意な人は、この知識にある程度の自信があるのではないでしょうか。
音韻の知識
音韻、つまり言語の音声についてです。これは
・単語レベル→発音に関する知識
・文レベル →ストレスやリズム、イントネーションに関する知識
・談話において大切なコンテキストに応じた強調やトーンなどの知識
と、発言を構成する音の領域全般を指します。これは確かにその通り。伝えたいことを伝えるために必要なのは「これが伝えたいこと!」と相手に表現することだからです。
語彙の知識
語彙量がモノを言うのは自明ですね。多くの学習者が直面する問題は「語彙不足によってメッセージを正確に伝えられない」です。語彙が多ければ多いほど、表現は豊かに、そして正確になっていきます。
これは日本語も同じですね。
談話の知識
聞き馴染みが無いかもしれませんが、これは構成に関する知識です。文を作るとき、文の構造を理解しておく必要があります。これを状況や文化に模られた「普通」を汲み取り表現するための知識です。
ややこしいので、2つ例を挙げます。
①皆さんが刑事だとして事件を報告するとします。このとき伝わりやすい話法は何でしょう?と訊かれて何を思い浮かべますか。おそらく多くの方が時系列、すなわち起こった順に話を並べると思います。
感想を挟んだり、インパクトを伝えるために意味深なフレーズから始めたりはしません。時系列に沿って話すことが最適だと知っているからです。
②皆さんが友人と久しぶりに会ったとき、こんな会話は普通ですか?
皆さん :〇〇君、久しぶり。最近どう。
〇〇君:相変わらず楽しくやってるよ〜。
皆さん :そりゃ良かった!
よくある場面です。普通やん、この会話がどうしたの?と思った方、まさにその通り。僕が言いたいのはこういったカジュアル&フランクな場面で「お久しぶりです。最近、公私ともに〇〇くんの調子はどうですか。」と訊きく方は稀まれでしょう。
たとえ、それが文法的に正しかったとしても、です。それはスピーキングのコツでも上級者の条件として話しましたが、端折っても伝わると知っているから。
こういった効果的な話法や省略と言うのは、話すための「知識」であり、この構成を談話の知識と言います。
まとめ
いかがでしたか。今回はスピーキングを形成する三銃士の一角「言語と談話の知識」を掘り下げてみました。

これらの知識は、多くの学習者が自分の力でスピーキング力を伸ばそうとするときにまず目が向く分野ではないでしょうか。今回の話は、その手法を後押しする内容だった方も少なくないと思います。
実際、それらはとても重要な土台です。ただし、土台だけでは話せるようにはならないというのが研究者たちの共通認識でもあります。次回以降では、さらにスピーキング力を支える要素に迫っていきます。さまざまな角度から能力を上げていきましょう。では。
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